
どういうきっかけだったか……公開当初、映画館で今作を見ました。
当然、大号泣。リピートして大号泣、ディスクを買って三度大号泣……。
そして今、振り返ってみると、泣ける映画以上のものが見えてきました。
映画【永遠の0】あらすじ(物語の概要)
司法試験浪人の健太郎(三浦春馬)と姉の慶子(吹石一恵)は、ある日、長年慕ってきた祖父・賢一郎が実の祖父ではないことを知らされる。
実の祖父は、終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵・宮部久蔵。
二人は実の祖父の足取りを追って、存命の戦友達を訪ね歩くが、そこで耳にしたのは予想外の言葉だった。
「海軍一の臆病者」「何よりも命を惜しむ男」
しかし、調査を進めるにつれ、そんな評判の奥にある宮部の生き方が垣間見える。
臆病者、と罵られた宮部はなぜ特攻を選んだのか。そして、二人がたどり着いた衝撃の真実とは……。
映画『永遠の0』公開まであと2日★
— 映画『永遠の0』 (@eienno0_movie) December 18, 2013
もう少し!もうすぐ!!日本全国で日の目を見ることに(`_´)ゞ #永遠の0 pic.twitter.com/her1w5VCrj
1.永遠の0をケアマネ視点で視る:伝わるためには、伝えることが必要
皆さん、親御さんのこと、お爺ちゃん、お婆ちゃんのことをどれほどご存じですか??
ケアマネの仕事に、インテークというものがあります。
これから支援を通じて共に関係を構築していくため、まずご本人のことを私達が教えていただく段階です。
もちろん、今のお困りごとや生活上の問題が中心なのですが、その一環で生活歴、生い立ち、と言った事柄も伺います。
そんな時、ご家族から「へぇ、そうだったんだ」「初めて聞いた」というお声が漏れることは決して珍しくありません。
それは、言うまでもないと思われていたこと、言いたくなかったこと、かもしれません。
しかし、両親、祖父・祖母の方々が送ってこられた人生の一部であることもまた事実。
身近であればあるほど目の前のことに焦点が合い、過去になかなか着目しないものだと思います。
支援の出発は知ること……時々、そう思うことがあります。
皆さんも身近なご高齢の方の若い頃のお話を聞いてみられては??
海の特攻・回天の知られざれる歴史と真実、交わらない想いが美しい悲劇に至る物語……心の深淵に触れる二本です。ぜひご一読を。
2.永遠の0をケアマネが観る:信念を貫く、ということのコスト、その先にあるもの
さて、宮部の過去を調べる中で思いもよらない自分達のルーツにたどり着く健太郎と慶子ですが、この作品を見てつくづく思うのは、宮部の強さ。
宮部は最終的には特務士官にまで昇進します。操縦の腕は超一流、だが彼は勇猛果敢に戦うことはなく、生き延びることを優先していました。
それでも、宮部は特攻を選んでしまいます。一見、心が折れたみたいに……。
その理由についてはここでは述べませんが(めっちゃネタバレになるので)、この仕事をしていると、信念を貫く、ということのいいところ、そして弊害もたくさん見てしまいます。
お一人目。お金を使い倒した人。
支援者はその奔放さ、自由さに散々苦労しました。私はまだましでしたが、一番大変だったのは成年後見人さん。債務整理して、色んな債務者に頭を下げて、ご本人からは悪魔のように恨まれて……。
しかしご本人は何も顧みることなく逝かれました。
「○○さんは幸せでしたね」と、誰しもがそう話していました。
お二人目。絶対に家に帰る! と言い張った方。
御自宅で倒れ入院、お体の状況、生活環境、そしてその方の人となりを鑑みると、到底一人暮らしには戻れない方でした。
苦慮する私達、そして病院の相談員さん……。
結局その方は元の生活にそのまま戻る、という意向を一切曲げず、病院、在宅側とも折り合いがつかず、消去法的な選択でそれなりにお金がかかる施設に移られることになりました。
宮部は名誉と引き換えに信念を貫こうとしました。
そう言い方をすれば、お一人目の方は周囲の信頼関係、お二人目は適切な妥協、を引き換えにした、と言えるでしょうか。
お二人がその選択の先で何を思い、何を感じたのか、そこに幸せはあったのか、それはもう私達には分かりません。
ご本人達にしか分かりません。
コストに見合う幸せがあったことを、ただ祈るばかりです。
・人生、トレードオフ。
・何かを得れば何かを失う、たとえ介護の現場であっても。
・最後は、幸せは自分だけのもの、かも。
3.【まとめ】見えない『真実』に触れる、ということ
今作はただの戦争映画、特攻を描いたもの、もっと言えば特攻を美化したもの、ではありません。
今作は、時代に流されてしまう事実の存在、意志を貫くコスト、そして人間の想いの尊さを描いているのだと、私は思います。
宮部久蔵が不名誉を背負ってまで守りたかったもの。
私が現場で出会った、周囲を困惑させてまで自分の生き方を貫こうとした方々。
彼らの生き方は不合理・不条理・頑固……とネガティブに捉えられるかもしれません。
しかし、そうすることにもまた理由があったはず。そして、それは知ろうとしなければ知ることのできないもの、です。
事実は記録されますが、その奥にある本当の気持ちは、そう簡単には伝わらない。
伝えようとしないと伝わらない。
だからこそ、より身近な人の話こそ、に耳を傾けるべきなんだと思います。

生き残ることにこだわり続けた宮部が特攻していった理由、その先にあった真実……ぜひ、その目で確かめてください。
ハンカチ必須ですよ、ほんと。
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夕璃:介護支援専門員(歴10年以上)
居宅介護支援事業所の管理者として勤務。社会福祉士、精神保健福祉士の資格保有。
小説家になりたくて、某新人賞で二次選考突破。今も挑戦中。
ケアマネとして、福祉、ケア、支援etc…といった視点でドラマ・映画等をレビューしています。
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