
『ケアマネの仕事は、実は戦術的、かも』
人気RPG『オクトパストラベラー』の弱点システムは、実はケアマネジャーの頭の中そのもの。敵の耐性を崩すように、利用者さんの個性に合わせたパーティー編成を行っているのです。
大手法人の組織力か、叩き上げのネットワークか。気難しい利用者さんの事例を通じ、プロが密かに実践している事業所選びについて考察します。
【ゲーム】オクトパストラベラー0 物語の概要(あらすじ)
オルステラ大陸・ウッドランドの田舎町、ウィッシュベール。
幼馴染のスティアとともに暮らしていた主人公だったが、ある時突然、ウィッシュベールが軍隊に襲われる。灰燼に帰す故郷……その背後には大陸の富・名声・権力を握る強大な人物の影が見え隠れする。
大いなる敵への復讐、そしてウィッシュベールの復興のため、主人公とスティアは旅に出る。
その先に待っているのは数多くの仲間達、そして大陸の命運すら左右する冒険と選択だった……。
【復讐編キービジュアルを公開!】
— オクトパストラベラー0公式 (OCTOPATH TRAVELER 0) (@OCTOPATH_PR) September 5, 2025
復讐と復興の2つの物語を歩む本作の内、
「復讐」を象徴するキービジュアルを公開します!
故郷を滅ぼされたあなたは、大陸を支配する三人の覇者たちへの復讐を誓い、旅に出る。
支配に抗う人々や仲間との出会いの果てに、あなたが目にするものは――… https://t.co/q83mzD6EEw pic.twitter.com/IF1sjkjgJJ
1.オクトパストラベラー0 をケアマネ視点で視る:個性と適性
あらすじでも書いたように、このゲームはとても多くのキャラクターが仲間になります。
進め方にもよりますが、私は最終的に35人のキャラクターが仲間になってくれました。
このゲームの敵には弱点が設定されていて、それを突かないとなかなかダメージが入っていきません。
逆に攻撃力が弱くても、弱点を突くことができれば相手を一気に弱体化させることができます。
火力が高ければごり押しできる、という戦法を封じているのが今作の戦闘の基本思想。
有利に戦っていくためには、味方と敵の相性を考えなくてはならない、ということをプレイヤーに課しているわけです。
このあたり、ケアマネとして働く中で感じている特性・相性というものと重なって見えました。
例を挙げてみましょう。
Aケアマネの場合
・Aさんはケアマネとしては経験一年目。
・新卒で大きな法人に就職、デイサービス、訪問介護事業所で経験を積み、介護支援専門員の資格を取得後、同法人の居宅介護支援事業所に異動。
・同じ法人には訪問看護、福祉用具事業所、特別養護老人ホームなどもあり、法人内連携もばっちり。
・Aさんは自法人のサービスを中心に紹介、プランを作成しました。
大きな法人の強みはこういうところ。
同期・先輩・後輩が様々な社会資源に携わっている。そしてそれらが同法人である、ということ。
同じ法人なので連携もばっちりでしょう。
Bケアマネの場合
・Bさんもまたケアマネとしては経験一年目。
・アルバイトとして訪問介護事業所で勤務、正社員登用後、サービス提供責任者として経験積む。
・介護支援専門員の資格を取得後、知り合いになったケアマネが務めている単独運営の居宅介護支援事業所に転職。
・サービス提供責任者時代に培った地域の様々な社会資源の人脈をもとに多様な事業所を紹介、プランを作成しました。
こういうたたき上げの人って、いるんですよね。
そしてそういう方って、なんていうかたくましくて、そしてその方独自の人脈、コネクション、ネットワークを構築されている方か多い気がします。
AケアマネもBケアマネも、やる仕事は同じ。
違うのは、どんな事業所を紹介するのか、ということ。
気難しいおじいちゃん、Cさん(自宅内は不衛生で入浴もままならない……)を担当した場合の違いを趣味レーションしてみましょう。
Aケアマネの場合
・Aさんは同法人のヘルパーさん、デイサービスさんに依頼、綿密な情報共有し作戦会議を経て担当者会議を開催、両事業所さんのスタッフの方にも頭を下げて何とか対応を依頼しました。
・Cさんは支援に対して断固拒否の姿勢、Aさんチームは粘り強く関わり、時間をかけて何とか支援の実施に繋げました。
Bケアマネの場合
・Bさんはあらゆる知り合いの顔を思い浮かべ、人当たりがよく、同時に押しが強いサービス提供責任者がいる訪問介護事業所、柔軟な対応をしてくれる、個浴があるデイサービスに支援を依頼することに。
・ヘルパーさんが信頼関係を築きつつ、デイ送り出しにも成功。デイは行ってもすぐ強い帰宅願望が出たり、なかなか入浴に繋がらないながらも粘り強く対応、なんとか入浴にも繋がりました。
結果はまぁ概ね同じでも、ケアマネが違うとその過程が違う、のです。
どっちがいい、悪いということではありませんが、Bさんの強みは、適材適所を選択できる幅が広いということ。
オクトパストラベラーで言うなら、たくさんの弱点を突ける用意がある、とでも言いましょうか。
もちろんAさんにも強みはあります。大きな法人というのはそれだけで安心感がありますし、同法人に特養という入所系施設があるというのはゆくゆく大きなメリットになることも多いでしょう。
ケアマネはどういう基準で選べばいいのか? そう訊ねられることもあります。
本来ならそれぞれのケアマネが持っている人脈、社会資源の豊富さ、層の厚さ、を比較出来ればそれも一つの判断基準になるのでしょうが……。
ケアマネ選びって、難しいですよね。

・どんな仕事も適材適所。
・ケアマネだって得意不得意がある。
・まずはフィーリングが合うことが大切、かも?
2.オクトパストラベラー0 をケアマネが観る:世界観にそぐわないシリアスさ
今作は業界最大手・スクエアエニックス制作の最新作でありながら、グラフィックはドットで描かれています。
どこか懐かしい昔のレトロゲームを思わせるドット絵……もちろん、現代風に美しくアレンジされているのですが、世界観も併せて、のんびりほのぼのゲーム……に、見えるかもしれません。
でも、あらすじからも伝わるように、なかなかにシリアスです。
というか、結構ダークで重めな展開が続きます。
ネタバレは控えますが、ショッキングな展開につい声が漏れてしまうことも……。
しかし、ただ暗いだけでもなく、ちゃんと光の見えるストーリー。
荒廃した故郷・ウィッシュベールの復興(タウンビルド)という要素もあり、ちゃんと前向きに楽しめる調整となっています。
奥深いストーリーとやり込み要素が好きな人にもおすすめです!
同社による美しい悲劇を体験するゲーム、様々な人物の人生が絡み合い疾走していく映画……あわせてどうぞ。


3.【まとめ】ゲームから離れてしまった方にこそ
オクトパストラベラーシリーズは2018年から始まった、比較的新しいPRGシリーズです。
ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーといった同社の往年のシリーズにはない、大陸という同一の世界観、弱点を突くという戦法、そして壮大でシリアス、ややダーク寄りの奥深いストーリー……。
今後の展開が楽しみシリースです。
最近のゲームはなんかとっつきにくい、昔ながらのテイストのゲームがいい……という層を見据えたゲームだと思います。
社会に出てゲームから遠ざかってしまった、とか、子供の頃はゲームしてたなぁ、という方、お忙しいとは思いますが、機会があればぜひ、手に取って欲しいゲームです。
ゲームは、気軽に新しい世界観に触れ介入できるコンテンツです。
思考・精神の柔軟性のためも決して悪いことばかりではありません。
きっと人生が深く豊かになるはず!
オクトパストラベラー0、こんな人におすすめ!
・牧歌的なのんびりほのぼのRPGに飽き飽きしている方。
・心地いい程度の戦略と多種多様なキャラクターを楽しみたい方。
・重たいストーリーのゲームが好きな方。

オクトパストラベラーも据え置き機で三作目。スクエニのシリーズとして発展していくことでしょう。
シリーズ初見の方でも長く楽しめる一本! おすすめです!
オクトパストラベラー0 をプレイしたい方へ
自分らしく働きたい……。特性を活かせる環境を見つけたい方へ

夕璃:介護支援専門員(歴10年以上)
居宅介護支援事業所の管理者として勤務。社会福祉士、精神保健福祉士の資格保有。
小説家になりたくて、某新人賞で二次選考突破。今も挑戦中。
ケアマネとして、福祉、ケア、支援etc…といった視点でドラマ・映画等をレビューしています。
▼ 詳しいプロフィールは以下。▼



コメント