
『心と心はどうすれば繋がれるのか?』
アクション×パズルという前代未聞の要素を掲げて発売された話題作・プラグマタ。
その新要素はただのバトル面での仕様を超えて、今作特有の体験にもつながっていて……。
遠い親類・近い他者、という事例を通じ、人と人が繋がるということについて考察します。
プラグマタ(PRAGMATA) 物語の概要(あらすじ)
今より科学が発達し、月面で夢の素材・ルナフィラメント(物体の形状のほか、性質、機能までも再現できる物質)の研究が行われている世界。
ある時、月面のルナフィラメント研究施設との連絡が途絶え、調査チームとして地球から月に派遣されたヒュー。
チームが月震(月の地震)に襲われ、一人になってしまった上に重傷を負ったヒューを救ったのは、一人の少女。
彼女はルナフィラメントで作られたアンドロイド・プラグマタだった。
二人は力を合わせ、地球への帰還を目指すことになるのだが……。
【お知らせ】
— 「プラグマタ」公式 (@PRAGMATA_JP) May 26, 2026
カプコン公式WEB番組カプコンTV!!
5月28日(木)よる7時スタート!🌟
『#プラグマタ』コーナーでは、「トレーニング シミュレーション」を
番組メインパーソナリティの狩野英孝さんが挑戦予定!
お楽しみに✨ pic.twitter.com/P5uWg4O3G2
プラグマタをケアマネ視点でプレイ:誰かと誰かの絆
今作はアクションアドベンチャー。背後視点で主人公・ヒューを操作し、月面の施設を探索していくことになります。
操作感はバイオハザードに近い、よくあるタイプ。それだけなら、今作は数あるゲームのなかの1つにすぎません。
今作がこれまでのゲームと違うのは、なんといっても、アンドロイドの少女・ディアナ(ヒューが命名)とヒューの間に育まれる絆。
その絆がプレイを通して、プレイヤーにも実感できる構造となっている点が本当に特異的。
その構造についての考察は後に譲るとして、対人援助の仕事をしていていると、人と人との繋がりの尊さ、そしてその限界を垣間見ることがあります。
実際の事例を通じて、考えてみましょう。
ご近所さんに支えられていたAさん。
・Aさんは妻を亡くして以降、一人で暮らしている男性。親類は市内には住んでいるもののあまりやり取りのないお兄さんのみ。
・お子さんがいなかったAさんは、近所のBさんを自分の子供のようにかわいがり、Bさんも含めて家族のような付き合いをしてきた。
・日々の食事を共にすること、お花見や盆踊り、秋のお祭り、雪遊び……そういったものを共にしてくれたAさんは、Bさんにとっては親同然。
・奥さんがなくなってから、Aさんにはがんが見つかり、Bさんは通院、介護保険の申請、ケアマネとの面談や事業所の手続きetc…を手伝ってきた。
・やがてAさんの病状が進行、訪問診療の開始につき、今後のターミナルケアについて親類の意向を確認することになり、久しぶりにお兄さんと連絡を取るAさん。
・お兄さんは「そんな病状で一人で家に居続けられるわけがない、最終的にはホスピスに入るべき」と主張。
・Bさんは「Aさんは最後まで自宅でいたいと思っておられます、私もできる限りのことはしますのでAさんを家にいさせてください」とお兄さんにお願い。
・「お言葉はありがたいが、いってもあなたは他人、家のことには関わらないでくれ」とお兄さんはBさんを一蹴してしまう……。
介護も、そして医療も、やはりお身内・血縁、というものを重視してしまう場面は多々あります。
特にお看取り、ターミナル、という、命にかかわるような場面となると、どうしてもそういう手続きが必要になってきます。
分かっているんです、私達も、遠い身内より親しいご近所さんの方が繋がりが強い、そういうことも多々あることを。
私も事例のようなケースで、ご本人、ご近所の方の思いが果たせなかったケースに立ち会ったことがあり、心苦しい思いをしたことがありました。
ACP・アドバンス・ケア・プランニング、というものが知られるようになって久しいと思います。
ACPとは……
もしものときのため、本人が望む医療やケアについて前もって考え、ご家族や医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有する取り組みのこと。(厚労省HPより)
Aさんも、あらかじめお兄さんも含めてACPができていれば、もっと違った経過をたどったかもしれません。
死はいずれ誰もが迎えるもの。誰もが自分らしく生きたいように、死だって、自分らしく迎えられれば……みんなそう願っていると思います。
ACPがもっともっと広まりますように……。

・繋がれる人は人生の宝。
・繋がりだけですべてが解決するとも限らない。
・できる備えはしておくべき。
プラグマタをケアマネがプレイ:ヒューとディアナの絆がプレイヤーにも共有される構造についての考察
前述しましたが、今作の最大の特徴は、バトルにパズル要素が組み込まれている点です。
今作の敵は、ただヒューが銃を撃つだけでは、全然ダメージが入りません。
敵を撃破するためには、ディアナによるハッキング(=パズルの解読)によって、敵の防御を強制解除することが必須。
ここに不安を覚える方もいるかもしれません。事実、私がそうでした。
「うまくできるのかなぁ、そんなややこしいこと……」と感じつつ購入したのですが、えらいもので、やっていれば、慣れます。
パズル要素といっても、カーソルを特定のマスに持っていくだけなので、さしたる難易度ではありません。
ともあれ、プレイヤーはプレイ中、何度も何度もディアナの力を借りることになります。
月面の施設には敵のアンドロイドがわんさか。遭遇するたび、プレイヤーはディアナによるハッキング(パズルの解読)⇒ヒューによる銃撃(従来の攻撃)を繰り返す・積み重ねていくことになります。
これ、いわばヒューとディアナ、そしてプレイヤーの共同作業。
敵と戦う高揚感、迎えるピンチ、それを切り抜けた達成感(ボスは結構強めに設定されているので苦戦を強いられる場面も多々あります。特にラスボス……)、そういったものを共有し、育まれるヒューとディアナの絆。
そして、それをいつの間にか共有しているプレイヤー。
本当によくできているゲームです。
強く結ばれた夫婦の美しい悲劇、兄と妹の絆が至る狂気……。
心と心の繋がりが紡ぐ印象的な物語です。


【まとめ】このゲームが私達にもたらすもの
偶然出会い、それなりの利害関係が一致し、様々な体験を共有し、やがて得難い絆に至る……こういう筋書きのゲームは、むしろよくあります。
今作が特異的なのは、プレイを通じてそこにプレイヤーの感情を巻き込めている点。
地球への帰還を目指した二人の冒険の終わり、そのエンディングは結構衝撃的で、二人と絆を共有してしまったプレイヤーほど、心を持っていかれます。
このゲームを通じて、プレイヤーはゼロから築かれるヒューとディアナの絆の目撃者となり、やがて当事者となります。
プレイ時間はそう長くない(アクションが下手な私でも、多分実質15時間程度でクリア)ですが、きっと多くの人の心に残り得るゲームです。
プラグマタ、こんな人におすすめ!
・近未来、宇宙、といった雰囲気が好きな方。
・アクション×パズルという要素に燃える方。
・ヒューとディアナの絆を体験してみたい方。

ゲームのキャラクターが作り上げる絆をプレイヤーが体感・共有できる……こういう体験をさせてくれるゲームは本当に稀有です。
近年まれに見る良作! ぜひ、アクションが苦手な方にもプレイしてみてほしい一作です。
プラグマタ をお手元に置いておきたい方へ。
絆が見つけられる職場と巡り合いたい方へ

夕璃:介護支援専門員(歴10年以上)
居宅介護支援事業所の管理者として勤務。社会福祉士、精神保健福祉士の資格保有。
小説家になりたくて、某新人賞で二次選考突破。今も挑戦中。
ケアマネとして、福祉、ケア、支援etc…といった視点でドラマ・映画等をレビューしています。
▼ 詳しいプロフィールは以下。▼



コメント