舞妓さんちのまかないさん×専門性:極めることは、失うこと

夕璃
夕璃

京都・祇園……行くことはできても、中に入り込むことはできない世界。
ぱっと見、可愛らしいドラマ、でも、よくよく見てみると描かれているものの残酷さに気が付きました。

ドラマ】舞妓さんちのまかないさん 物語の概要(あらすじ)

雪深い青森で生まれ育ったキヨ(森七菜)とすみれ(出口夏希)は、修学旅行で京都・祇園に訪れ、舞妓さんに憧れを抱く。中学を卒業し、夢を追って祇園に出てきた二人、すみれはめきめき頭角を現していくが、キヨは失敗続き。

青森に帰される直前になって置屋(舞妓さん達が共同生活を送る家)のお料理番・まかないさんが腰痛で急遽引退することになり、キヨがその後を継ぐことになる。

こうして、キヨは祇園という花街でまかないさんとして生きることになるのだが……。
注:ドラマ版は某VODのみの独占配信です。

1. 舞妓さんちのまかないさん をケアマネ視点で視る:視野は広くもとう

今作で描かれる花街は、美しい文化を継承している、が故に一般的な社会とは隔離された特殊な社会です。
もちろん、その社会にしかないものはたくさんあり、であるか故にその世界に身を投じる価値はあります

ただ、あまりに専門性を高めすぎる、ということは、汎用性を失うということ……。

ちょっと例えを上げてみましょう。

特養の介護主任Aさん、在宅へ行く。
・Aさんは特別養護老人ホームで10年勤め上げた、まさに介助のプロ。
・もともと、特養での勤務を希望して入社していたので、とっても仕事熱心。
・施設のルール、職人芸のような介助ルーチンを完璧にマスター。
・その腕を買われて、同法人の在宅部門に異動。
・施設と在宅での違いに戸惑う日々。
・職員とも、利用者さんともうまくいかない日々に思い悩んでしまう……。

大きな法人であれば施設・在宅間の異動は十分あり得る話です。まぁ、事例のようにならないように適宜異動をかけられるものとは思いますが……。

同じ福祉・介護とはいえフィールドが変わるだけで仕事のやり方というか、感じ方が一変するというのはよくあること。

介護、というスキルだけ見れば共通していてもその周囲にあるものが違うので働き方がまるっと変わってしまうのです。

もちろん、スキルを磨く・磨き続けるということはとっても大切。
ただ、井の中の蛙になってしまわぬよう、常に視野を幅広くしておくことが大切なのだと思います。

ドラマ 舞妓さんちのまかないさん をケアマネが考察したイメージ図。祇園の街の中のキヨとすみれ。
祇園の日常、その中のキヨとすみれのイメージ。 Image by 夕璃

ケアマネ・夕璃の思ったこと
・スキルを積み上げることは大切。
・同じところで働き続けることもいい経験。
・一方、色んな物も見ておこう。

アニメで描かれる、舞妓さんちのまかないさん を今すぐその目で。
※2026年4月時点。最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。

2. 舞妓さんちのまかないさん をケアマネが観る: 遠い街、リアルな描写

実は私、祇園という街にちょっと関わったことがあります。

祇園……観光で通りかかることはできてもその中を窺い知ることはできない街、祇園。

このドラマは、その内情をありありと、肌触りさえ感じさせるほどにリアルに描いています。

あの街並み、雰囲気、生活音、そして家の中……。
なんかもう、懐かしかった……。あぁ、祇園って、こういう街だったなぁって。

特に素晴らしいのは、人の描き方。あの街に生きる人を本当にうまく再現されています。

特に出戻りの芸妓を演じた松岡茉優さんや、男衆(おとこし)役の北村有起哉さん。

あぁ、こういう人いるよなぁ……としみじみ

なんていうか、あの街で長く生きてこられた人独特の雰囲気っていうのがあるのですが、それをお二人が本当に上手に演じておられるのです!

ねぇさん、お母さん、と呼び合う感じとか……ほんと、すっごいリアル。

今回、改めて考えると、私達がお話したりしていた人達は、もはやあの街の人、であったんだなぁと感じました。

憧れるけどちょっと、遠い、遠すぎるかな……。

山間の村・おとぎ話のような世界観、薫るような日常……。
祇園とは違いますが、共通する点もある作品です。

 

 3. 【まとめ】伝統を受け継ぐこと=その道を究めること≒汎用性を失うこと

このドラマは祇園という特殊な世界が持つ華やかさと過酷さを描いている、という点で唯一無二です。

舞妓さん・芸妓さんの人生は、美しい文化を受け継ぎ・次の代に繋げるという重要な役割を担っていると同時に、一般社会とは隔離された環境でキャリアを積むことによる汎用性の喪失……というとんでもないリスクを内包しています。

祇園の花街は日本を代表する文化、国の宝ともいえると思うのですが、そういったものは舞妓さん・芸妓さんの、彼女達を支える周辺の専門家達のリスクを背負った人生によって成り立っている……。

実際、私は祇園の街で、芸の道の正規ルートから零れ落ちてしまった方をたくさん見てきました。
そういった方々の人生は、過酷です。

このほのぼのドラマはそういった、なかなか見えてこない現実をも描いているのです。

舞妓さんちのまかないさん こんな人におすすめ!
・京都・祇園に興味がある方
・舞妓さん、芸子さんに興味がある方
・伝統の継承の闇を垣間見たい方

夕璃
夕璃

よくよく考えながら見てみると、キヨちゃんの人生の危うさを感じてしまうかも……人生経験としてもぜひ一度見てみてください!

アニメ版・舞妓さんちのまかないさん を今すぐその目で。
※2026年4月時点。最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。

舞妓さんちのまかないさん を繰り返し見たい方へ

より専門性を高めてみたい方へ

この記事を書いた人
夕璃:介護支援専門員(歴10年以上)
居宅介護支援事業所の管理者として勤務。
小説家になりたくて、某新人賞で二次選考突破。今も挑戦中。
ケアマネとして、福祉、ケア、支援etc…といった視点でドラマ・映画等をレビューしています。
▼ 詳しいプロフィールは以下。▼

コメント

タイトルとURLをコピーしました