
『妥協からは、本物のチームは生まれない』
有馬記念という遥かなるゴールを目指し、長大な壁をいくつも乗り越える大人達の姿が心を揺さぶる今作。この胸熱なチームビルディングは、介護の現場でも日々、人知れず起きています。
支援を拒絶するゴミ屋敷の頑固おじさんというケースだからこそ、支援者の連携が育まれていく……。事例を通して、困難がチームを作り出すプロセスについて考察します。
【ドラマ】ザ・ロイヤルファミリーあらすじ(物語の概要)
父亡き後の空虚な心を抱える税理士・栗須栄治(妻夫木聡)は、人材派遣会社社長・山王耕造(佐藤浩市)に拾われ、ロイヤルヒューマンに就職。
耕造は粗暴であり家族からも孤立するような男であったが、夢があった。それは馬主として有馬記念を制覇すること。しかし馬主としての耕造は勝利には程遠い存在であった。
ふとしたことがきっかけで栗須は山王の雲を掴むような夢を、その秘書として支えることになる。二人の眼前には強大なライバル馬主、そして競走馬、一筋縄ではいかない関係者達が立ちはだかる。
栗須と山王は有馬記念を制することが出来るのか……。
ファンの皆さまに心から感謝いたします!
— ザ・ロイヤルファミリー ♛ TBS10月期日曜劇場【公式】 (@royalfamily_tbs) December 21, 2025
そして…
最高の有馬を!#ロイヤルファミリー
🐎ご視聴ありがとうございました 🌿
日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』 pic.twitter.com/4lMFgr0hml
1. ザ・ロイヤルファミリー をケアマネ視点で見る:困難事例がチームを育む
本作は日曜劇場。
困難・努力・仲間・勝利! という、少年漫画のようなお約束展開、だけどやっぱり胸打つ……というストーリー。
例に漏れず今作も、栗須と山王は幾たびも困難に見舞われます。しかし有馬記念で一等を取る! という遥か彼方の目標に向かって紆余曲折あり一致団結するのですが……。
このあたり、介護の現場における困難事例そのもの。
対応が難しい事例こそ、支援者間の絆を作り上げる最上の土壌である……これは、きっと色んな支援者の方が実感されていることだと思います。
事例を挙げてみましょう。
Aさん事例:くせ強おじさん×ごみ屋敷
・ごみ屋敷として地域住民から地域包括支援センタに相談が入る。
・包括の方が訪問。片麻痺のおじさんが対応。
・「余計なお世話だ」「俺は俺だけで生きていく」と拒絶的。
・玄関から垣間見た自宅内、そしてご本人の清潔状況から早急な支援が必要。
・近所の方から近隣に妹さんがいることが判明。
・妹さんも兄の状況に苦慮していることを伺う。
……あくまでこれは仮の事例ですが、実はあるあるパターンです。私も似たようなケースを実際に対応したこともあります。
もう手も足も出なさそう、ですよね? でも、福祉支援者は粘り強いのです。
・包括の方が折を見て訪問。
・少し話せるようになった段階で介護保険を申請。
・近隣の理解あるお医者さんに相談。
・居宅介護支援事業所のケアマネも同行訪問する。
・妹さんの協力で何とか理解ある医師の医院にかかる。
・要介護2が出て、居宅のケアマネにバトンタッチ。
・福祉用具のレンタルから関りを持ち、ご本人との信頼関係を模索。
・理解ある訪問介護の事業所の同行訪問開始。
とまぁ、こんな風に、とんとん拍子に行くことは少ないですが、時間さえかければあり得ないことではありません。
もうヘルパーさんが入る頃には、包括、居宅、妹さん、福祉用具の方、近所の方、とちゃんとチームが出来上がっているものです。
皆さんが行き過ぎる街の風景、そのどこかに、こういう小さな、でも確実な奇跡が起きている、はずです。
まぁ、有馬記念を取る! なんて目立つものではありませんがね。

・困難な事例は一見、到底解決しそうに思えない。
・まずは、関わること、関わり続けることが必要。
・遠いけど、ゴールはある。
2. ザ・ロイヤルファミリー をケアマネが観る:大人こそ動物モノに心揺さぶられる理由
今作の見どころは、各ストーリーの終盤にあるレースの場面。
懸命に走る競走馬、それを応援する登場人物達……。文字にするとただそれだけ、というように見えるのですが、不思議なことに、ドラマを見ている視聴者はそんな場面に涙するのです。
なぜ私達は、競走馬が懸命に走る姿にこれほどまで心を奪われるのか。
それは彼らが無垢な存在だから、ではないでしょうか。
競走馬達は恐らく、ただただ走っているのだと思います。どんな計算も、打算もなく、ただ走っている。
それは純粋な本能。命を燃やしてただ走るのみ。
その純粋な姿が、理性を前提とした社会で生きている自身と対比されるのだと思います。
ピュアな本能、まるで正反対な自分、そのギャップが心を揺さぶのでしょう。
懸命に頑張る姿、目標に向かって頑張ること……このドラマと通じるものを感じる作品です。
3. 【まとめ】頑張っている、からこそ熱くなれる
今作は、単なる競馬ドラマではありません、決して。
困難をチームで乗り越えること、そして懸命に走る競走馬達……このドラマには人間の心を熱くする要素が秘められています。
また、競馬を描いていつつもギャンブルという要素を排しているのも多くの人に受け入れられた要素ではないでしょうか。
日曜劇場らしく、とっても完成度の高い作品です。少しでも興味があればぜひ!
ザ・ロイヤルファミリー、こんな人におすすめ!
・見終えてすっきりする作品が好きな方
・動物に弱い方
・頑張っている自分を応援したい方

介護の現場で奮闘する皆さん、いや、それぞれの戦場で日々懸命に戦っている大人の皆さんこそ、ぜひ見てみてほしい!
きっと、明日の自分を後押ししてくれます。
手元に置いておきたい方へ
原作を読みたい方へ
よりいいチームで支援に取り組みたい方へ

夕璃:介護支援専門員(歴10年以上)
居宅介護支援事業所の管理者として勤務。社会福祉士、精神保健福祉士の資格保有。
小説家になりたくて、某新人賞で二次選考突破。今も挑戦中。
ケアマネとして、福祉、ケア、支援etc…といった視点でドラマ・映画等をレビューしています。
▼ 詳しいプロフィールは以下。▼





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