
『家族の死からは早く立ち直った方がいいのかな……』
亡くなった最愛の妻が、見知らぬ小学生になって戻ってくる……奇想天外な設定ではあるけど、今作は遺族の深い喪失と再生がリアルに描かれています。
介護を生きがいとしていたご家族が死に直面する事例をもとに、支援者にできることについて検討します。
【ドラマ】妻、小学生になる。物語の概要(あらすじ)
妻、そして母・貴恵(石田ゆり子)を事故で失って10年、夫の圭介(堤真一)と娘の麻衣( 蒔田彩珠)は失意の中にいた。そこに現れたのは、見知らぬ小学生の少女・白石万理華(毎田暖乃)。彼女は自分こそが貴恵の生まれ変わりだと訴える。最初は信じれない二人だったが、貴恵を思わせる言動、そして貴恵しか知り得ないこと話す万理華に接し、次第に彼女の言葉を信じるようになる。
失われた10年を取り戻すかのように家族の時間をはぐくむ三人、しかしもう一人の生まれ変わり、出雲凛音(當真あみ)との出会いもあり、次第に生まれ変わりの真相に迫っていくことに。
貴恵たち親子、そして万理華がたどり着く結末とは……。
📢 お知らせ✨
— 【公式】妻、小学生になる。-TBS金曜ドラマ- (@tsumasho_TBS) May 25, 2022
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第111回ザテレビジョン #ドラマアカデミー賞 にて、
白石万理華役 #毎田暖乃 さんが「助演女優賞」をいただきました🏆
応援してくださった皆様、ありがとうございます🤲🏻💕
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1.妻、小学生になる。をケアマネ視点で視る:利用者さんの死、その後にケアマネができること
亡くなった妻が見知らぬ小学生になって帰ってきた……ありえないですよね。
ただ、初っ端に大きな嘘をついてはいるものの、描かれる人々の心境などにはちゃんとリアリティがあるのがこのドラマの素晴らしいところ。
ケアマネという仕事、医療職の方々ほどではないものの、人の死というものに近い仕事です。
長く続けていればいろんな形の死に立ち会うもので……。
利用者さんの死は、ご家族にとっての喪失です。
私達が支援させていただいているのはご利用者さんご本人で、ご利用者さんが亡くなれば私達との関係も終了するわけですが、なんだか、後ろ髪引かれるような思いになることも多々あります。
例えば……。
献身的に奥様を介護されていたAさん。
・Aさんは60代の男性。妻のBさんを献身的に介護されていた。
・Bさんは60歳になった年に脳梗塞により半身不随となり、Aさんの介護が始まった。
・子供に負担はかけたくない、という気持ちから、仕事を調整しつつ、うまく制度を使いながらもプライベートの大半を妻・Bさんの介護に費やしてきた
・時にはBさんの介護の方針を巡って医療職・リハ職・介護系の支援者との意見の食い違いもありつつ……。
介護にはやっぱり暗いイメージが付きまといますが、それでも、熱心に取り組まれる方の中にはそれが生きがいに昇華される場合もあります。
ただ、そういう方こそ、いつか訪れる死という出来事からの影響が大きく……。
Bさんの死後、すっかり活力を失ったAさん。
・Bさんは転倒を機に寝たきりの状態となり、徐々に身体機能全体が低下。
・アルツハイマー型認知症用の認知機能の低下も見られ、数年を経て常時眠っておられるような状況に。
・次第に老衰に近いターミナル状態となり、やがてお亡くなりに。
・最愛の妻を失ったAさんは、同時に生きがいともなっていた介護も失ってしまう……。
・定年になっていたAさんは仕事もやめてしまい、セルフネグレクトに近い状態に……。
圭介・麻衣の親子の陥っていた状況はこの事例に近いものでした。
大切な人を失うということはまるで心に穴が開くようで……そういう時、私達って本当に無力なんです。
でも無力で当然。仕方ないと思います。
ケアマネがここで果たすべき役割は、決して悲しみを早く忘れてもらうことではありません。悲哀のプロセスは、残されたご家族が乗り越えるべき大切な時間。
ケアマネにできることは、大切な時間を過ごしている方に寄り添い傾聴する……ことではないでしょうか。
ご利用者さんが亡くなった後、頻繁にご家族と接することはないのですが、例えばお葬式が終わった後など、お線香をあげさせていただくにあたってお話を伺い、生前の楽しい思い出を分かち合う……といった関わりが、できる数少ないことなのではないか、と思います。
あの時間って、なんか、悲しいのと同時に嬉しい気持ちになる、不思議で大切な時間です。

・介護に向き合ってもらうこともケアマネの仕事。
・介護への取り組み方はその方次第。
・お別れの後も、お互いに無理のない形で繋がっていたい。
2.妻、小学生になる。をケアマネが観る:俳優・毎田暖乃さんのすごさ
このドラマ、最も注目すべきは小学生・かつ妻である貴恵・万理華を演じた毎田暖乃さんの驚愕の演技。
いや、ホントすごいんです。
毎田さんは妻・貴恵を小学生・万理華の肉体で演じるという、非常に複雑な表現をさらっと、自然にされています。撮影時なんとおおよそ10歳、とのこと……奇跡、才能の塊、すごすぎる。
毎田さんは、ごく自然に(あまりに自然すぎて簡単そうにすら見える)妻・貴恵を演じておられます。
このがんばってる感のない、日常的ですらある所作、言動があってこそ、死者が小学生となって帰ってくるというとんでもないファンタジーにリアリティを感じられるんです。
このドラマは毎田さんの存在なしにはあり得ません。
彼女の演技を見るためだけでも、視聴する価値があります!
今作は、大切な人の死を少し変わったタッチで描いています。
大切な人との時間や繋がりを別の角度から描いた作品にもまた、心惹かれてしまいます。
3.【まとめ】まったりドラマ、でも奥深いかもしれないドラマ
このドラマは死者の帰還というファンタジーに合わせて家族の喪失という悲しいテーマを、日常感のあるコメディとして描いた非常に稀な作品、です。
きっと大半の人が経験する家族の喪失という人生の哀しい出来事……その悲しみを抱える人に対してどうかかわるか、ということも考えさせくれます。
そういった奥深さに花を添えているのが妻・貴恵役の毎田さん!
ありえない物語をリアリティあふれるストーリーに昇華させているのは、間違いなく毎田さんです。べた褒めですけど、ホントすごいんです。
妻、小学生になる。こんな人におすすめ!
・のんびりほっこりドラマを見たい方。
・温かい肌触りの奥にしっかりしたテーマがある作品が好きな方。
・奇跡の俳優・毎田さんを目撃したい方。

基本、気構えることなくまったり見れるドラマです。
でもちゃんと考えるポイントもあるというお得なドラマ。
お勧めです!
妻、小学生になる。を手元に置いておきたい方へ
※2026年4月時点の情報です。Kindle Unlimited対象作品は随時変更されるため、最新の状況は公式サイトにてご確認ください。
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夕璃:介護支援専門員(歴10年以上)
居宅介護支援事業所の管理者として勤務。社会福祉士、精神保健福祉士の資格保有。
小説家になりたくて、某新人賞で二次選考突破。今も挑戦中。
ケアマネとして、福祉、ケア、支援etc…といった視点でドラマ・映画等をレビューしています。
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